一般貨物自動車運送事業~運行管理者の選任

一般貨物自動車運送事業者は、事業用の車両の数に応じた運行管理者を選任しなれけばなりません。運行管理者は、1つの事業所に専従する必要があるため、他の営業所と兼務することはできません。
なお、霊きゅう運送、一般廃棄物運送、島しょ等の地域運送で、車両の数が5台未満の場合は、運行管理者を選任する必要がありません。

一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。

 前項の運行管理者の業務の範囲は、国土交通省令で定める。

 一般貨物自動車運送事業者は、第一項の規定により運行管理者を選任したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

貨物自動車運送事業法第18条

運行管理者の必要人数

運行管理者は、営業所ごとに1人以上置く必要があります。車両台数が30台増えるごとに1人ずつ増えていきます。

事業用自動車の車両数(被けん引車を除く)運行管理者数
29両まで1人
30両~59両2人
60両~89両3人
以降、30台増えるごとに1人ずつ増える

運行管理者の業務

運行管理者の業務は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第20条にて定められています。業務の内容は、非常に多岐にわたります。
1.運転者として選任された者以外の者に事業用自動車を運転させないこと。
2.乗務員が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること。
3.定められた勤務時間及び乗務時間の範囲内において乗務割を作成し、これに従い運転者を事業用自動車に乗務させること。
4.酒気を帯びた状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させないこと。
5.乗務員の健康状態の把握に努めること。疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させないこと。
6.運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することが出来ないそれがあるときは、あらかじめ、交代運転者を配置すること。
7.過積載の防止に関して、運転者その他の従業員に対する指導及び監督を行うこと。
8.貨物の積載方法について、従業員に対する指導及び監督を行うこと。
9.通行の禁止や制限に関して、運転者に対する指導及び監督を行うこと。
10.運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認を行い、指示を与えるとともに、それらを記録、保存すること。また、アルコール検知器を常時有効に保持すること。
11.運転者に対して乗務等の記録をさせ、及びその記録を保存すること。
12.運行記録計を管理し、及びその記録を保存すること。
13.運行記録計による記録が義務付けられた事業用自動車については、運行記録計により記録することができない場合は運行の用に供さないこと。
14.事故を惹起した場合は、当該事故を記録し、及びその記録を保存すること。
15.運行指示書を作成し、及びその写しに変更の内容を記載し、運転者に対し適切な指示を行い、運行指示書を事業用自動車の運転者に携行させ、及び変更の内容を記載させ、並びに運行指示書及びその写しの保存をすること。
16.運転者台帳を作成し、営業所に備え置くこと。
17.乗務員に対する指導、監督を行うとともに、記録及び保存を行うこと。
18.死亡又は負傷者が生じた事故を引き起こした事業用自動車の運転者、新たに雇い入れた運転者、高齢運転者(65歳以上)に対する特別な指導を行うとともに運転者台帳に記録等を行うこと。
19.安全運行のために必要な運転技術、法令上の遵守事項並びに非常用信号用具、消火器の取扱について乗務員に対する指導、監督を行うこと。
20.新たに雇い入れた運転者や事故惹起運転者、高齢運転者に適性診断を受けさせること。
21.異常気象時の場合は、必要な措置を講ずること。
22.運行管理者補助者に対する指導及び監督を行うこと。
23.国から事故警報が発せられたときは、その事故防止対策に基づき、事業用自動車の運行の安全の確保について、従業員に対する指導及び監督を行うこと。
24.特別積合せ貨物運送の場合には、乗務に関する基準を作成し、かつ、当該基準の遵守について乗務員に対する指導及び監督を行うこと。
25.事業者に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うこと。
26.統括運行管理者は、運行管理者の業務を統括すること。

運行管理者になるためには

運行管理者となるためには、以下の2つの方法があります。
1.運行管理者試験に合格する
①受験資格
・試験日の前日において、自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く。)の用に供する事業用自動車又は特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車(緑色のナンバーの車)の運行の管理に関し、1年以上の実務の経験を有する者
・国土交通大臣が認定する講習実施期間において、平成7年4月1日以降の試験の種類に応じた基礎講習を修了(受講予定者は、試験日の前日までに修了)した者
②公益財団法人運行管理者試験センターが実施。試験は毎年少なくとも1回行われる。
③試験の内容
・貨物自動車運送事業法関係、道路運送車両法関係、道路交通法関係、労働基準法関係についての専門的知識及びその他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力
2.事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について一定の実務の経験その他の要件を備える
一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者又は特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車の運行の管理に関し補助者として5年以上の実務の経験を有し、その間に国土交通大臣が認定する講習実施期間が行う運行の管理に関する講習へ5回以上受講していること。(5回以上の講習のうち、少なくとも1回は基礎講習を受講している必要がある。)

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