任意後見制度とは?~任意後見制度の概要
任意後見制度とは
任意後見制度とは、本人の判断能力がある間に、将来、判断能力が不十分になったときに備えて、本人の希望する信頼できる人(任意後見受任者)と自分の財産等を任せる契約(任意後見契約)を締結することによって、後見事務を行ってもらう制度です。
任意後見制度の特徴
①公証人が作成する公正証書によって作成すること
任意後見制度を利用するためには、「任意後見契約書」を作成しますが、この契約書は私文書での契約書では作成することができません。公証人が作成する「任意後見契約公正証書」でなければ効力が生じません。
②家庭裁判所が任意後見監督人を選任してから契約の効力が生じる
任意後見監督人とは、任意後見人が適正に業務を行っているか監督する役目の人のことです。本人の判断能力が不十分となった時に、任意後見受任者は家庭裁判所に任意後見監督人の選任の申立てをします。任意後見監督人が選任されることによって任意後見契約の効力が生じます。
③任意後見契約がされた旨の登記を要する
任意後見契約が締結されると、公証人の嘱託により、契約内容が法務局に登記されます。この登記がされると任意後見人は、法務局から自分の氏名や代理権の範囲を記載した「後見登記事項証明書」の交付を受けます。後見登記事項証明書により自分の代理権を証明することができます。
④任意後見監督人が選任された時から開始される
任意後見監督人が選任されることによって、契約の効力が生じ任意後見人の仕事がスタートします。
任意後見契約の3つの形態
①将来型
現在、本人が特に不安を感じておらず支援を希望していないため、将来、判断能力が不十分となって任意後見契約が発効するまで支援をしないという形態です。任意後見契約だけを締結しておきます。
②移行型
本人に生活上の支障が生じたいたり、不安がある場合に任意後見契約が発効するまでの間も支援の要請がある場合、一定の代理権を定めた委任契約を締結し、将来、判断能力が不十分となった時に任意後見に移行します。
③即効型
任意後見契約締結後、速やかに任意後見監督人を選任する場合です。契約時には本人の判断能力が十分にあることが前提となります。本人の判断能力に低下が認められる状態で任意後見契約を締結する「即効型」については、注意が必要です。
任意後見制度のメリット・デメリット
①メリット
・頼みたい人に依頼できる。
・頼む内容や報酬をあらかじめ決められる。
・判断能力低下前から死後事務まで依頼できる。
・財産管理等委任契約や見守り契約を合わせて契約することにより、任意後見監督人選任申立て中も継 続した支援を受けられる。
②デメリット
・任意後見監督人選任を行うタイミングを見定めなければならない。
・任意後見監督人が選任されると任意後見監督人の報酬も発生する・
当事務所は、公益社団法人コスモス成年後見サポートセンターの会員となっております。
任意後見制度についてお困りごとなどある場合は、ぜひ、ご相談ください。
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